こどもが保育者との信頼関係を築き、情緒が安定し、安心して自分を発揮することができるようになる「小グループ保育」と、複雑な人間関係のなかで生きることで「自律的・主体的に生きる力」を育みながら、国際人となるための基礎を築く「たてわり/よこわり保育」を行っています。
「たてわり保育」の良い点は「違っていて当たり前」という雰囲気がおのずと生まれ、色々な人々を理解して受け入れていく柔軟な心と、自分と違う人たちとも関係を築いていくたくましい力を養っていけるところにあるでしょう。
いまの日本では核家族できょうだいも少なく、親戚や地域の人々との関わりも薄くなっています。こどもたちにとって幼いときから色々な人間関係を経験して育つことは、こどもたちの将来にとって、とても重要です。また、「よこわり保育」の利点ももちろんあり、その二つの良いところをあわせた保育環境を整えています。
年齢にこだわりなく自分の興味・関心や、発達段階に合った遊びをこども自身が選んで参加する活動。そして、こどもたちの安心とくつろぎの場所として、木製のしつらえが中心のお部屋と保育者たち手作りの装飾で彩られた、優しさと温かみのある保育環境。その中でこどもたちが豊かな人間関係を築き、たくさんの経験を得て育っていくことを願っています。

小グループ保育
「こどもたちが目覚めている時間の大部分を過ごすこども園は『昼間の家庭』として、
お家に居るように暖かくゆったりとした安心のできる場所でなければ」と考えてきました。
同時にこども園には今、家庭や地域社会で不足しているといわれる「いろいろな人と関わる力」を補いながら、
ひとりひとりのこどもが持っている力を十分に発揮して、いきいきと活動出来るように「教育的な援助や配慮」も求められています。
スイート
SWEET

0・1・2歳児の3〜5名のグループです。
この年齢は「特定の大人としっかり信頼関係を築くことがなによりも重要」であることを認識して、決まった担任保育者と少人数で過ごすグループ担当制を1977年からとってまいりました。2004年度から、この乳児グループを『スイート』と呼ぶことになりました。
ホーム
HOME

2・3・4・5歳児の17~20名のグループです。
3歳以上のこども達も「できるだけ少人数の異なる年齢のこども達のグループで生活できるように」との思いから、1986年の春、『ホーム』が誕生しました。生活のたいせつな部分(ゆったりとくつろいで好きな遊びをしたり、食事やお昼寝をしたりなど)をホームで行います。教育的意図をもった活動はホームから出かけていきます。
保育の気づき
1977年から積み重ねた『スイート』や『ホーム』の経験から、同じ年齢ばかりの集団では必要以上に多くなってしまう摩擦や葛藤(ケンカ)が、こどもたちはホームになると少なくなり、違った年齢のこどもとの関わり方を自然と身に着けていくようになっているように思います。大きいこどもは小さいこどもを思いやって、ゆずったり教えたりすることができるようになり、年長児としての誇りや自信を持ちいきいきと生活する姿が見られるようになっています。
また、小さいこどもは大きいこどもに甘えさせてもらいながら、安心して過ごすと同時にあこがれの気持ちから見てまねるうちに、同年齢ばかりでは出来ないことが出来るようになっています。兄弟姉妹は同じホームになるのですが、家ではケンカばかりというきょうだいが、園ではきょうだいとしての意識が高まるのかお互いを信頼しあう姿が見られます。そんな彼らの関係性は他のこどもたちにもよい影響を与えてくれています。


たてわり・よこわり保育
こどもたちは『ファミリー』という大きなグループの中で生活します。
『ファミリー』は、たてよこの複雑な人間関係のなかで生きる力を育むことのできる保育環境をつくる、
いわば親戚関係の家族が集まった拡大家族のようなものです。
『ファミリー』には『スイート』と『ホーム』がいくつか一緒になっており、保育者も複数在籍しています。
このことは、こどもたちが直接の担任以外の大人からも、違った視点や方法で理解してもらえるということにつながります。またこどもたち同士の人間関係も、それぞれの『スイート』や『ホーム』を超えて広がり、『ファミリー』のなかで、豊かな人間関係とたくさんの経験を得て、育っていくことができるのです。
ファミリー
FAMILY

全年代が集まり生活するたてわり保育のグループです。複数の『スイート』と『ホーム』がひとつのファミリーとして一緒に、同じ保育室で過ごしています。
小さな子への思いやり、大きくなることへの喜び、誇りを持ってお互いを育て合う共育の場です。子どもたちは、『かぜファミリー』『ひかりファミリー』『いずみファミリー』の3つのファミリーのひとつに所属して生活しています。

ホールから見て左側のお部屋で過ごす『かぜファミリー』さん。
窓からは園庭が見えます。

ホールから見て右側のお部屋で過ごす『ひかりファミリー』さん。
ホールに一番近いお部屋です。

ホールから見て右側奥のお部屋で過ごす『いずみファミリー』さん。
中庭が見えるお部屋です。
クラス
CLASS

同年代が集まるよこわり保育の活動グループです。
同年代の子どもたちが、大勢で遊ぶ楽しさを味わう年齢別集団活動の時間も、家庭ではできない経験として大切にしています。
センター活動
「オープン・エデュケーション(クラスの壁のない教育環境)」と子どもの主体性を実現できるための教育的取り組みです。
自分の興味、関心や、発達段階に合った遊びを子ども自身が選んで参加する活動の場です。
原則的に以下7つのセンターがあり、日によっていつくかのセンターが開かれる仕組みです。子どもたちは好きなセンターを自分で選んで活動します。
かたちセンター
ART

絵の具や廃材、粘土など、多種多様な教材、素材を使って表現を楽しむ。WAKU積み木や大型積み木も使って遊ぶ。
おんがくセンター
MUSIC

季節の歌やさんびかなどにたくさん親しむ。曲に合わせてダンスをしたり、いろいろな素材の物で楽器づくりも楽しむ。
おはなしセンター
STORY

さまざまな絵本の世界にゆたかにふれる。劇遊びや紙芝居、つみきシアターなども楽しむ。
たいけんセンター
EXPERIENCE

ままごとやお店屋さんごっこなど、いろいろなごっこ遊びができる。また、身近なところでのいろいろな働きも遊びに取り入れて楽しむ。
うんどうセンター
PHYSICAL ACTIVITY

身体を動かして遊べるいろいろな遊具と遊びに親しむ。伝承遊びや手先を使う遊びなども楽しむ。
しぜん・
ワーシップセンター
NATURE & WORSHIP

花や虫などいろいろな生き物に触れ、神さまがつくられた世界のふしぎさ、美しさに気づく。自然との出会いを通して神さまに感謝と祈りをともに捧げる。
マナセンター
FOOD EDUCARE

野菜のタネや苗を植えて、育てたり、収穫した野菜を使ってクッキングをしたりする。また、エプロンシアターや食物に関する絵本、お話を通して“食”への関心を育む。
給食とカフェテリア
カフェテリアとは、「セルフサービス式の食堂」のことです。こひつじこども園では、1993年からカフェテリアでの食事を取り入れてきました。

大勢の子どもたちが一緒に生活しているこども園では、時間によって子どもたちが動かされるのではなく、一人ひとりの子どもが自分の必要に応じて時間を使うことができるようにすることが大切だと思います。
たとえば、テーブルで絵を描くことに夢中になっている子どもがいたときに、「ご飯の時間だから片づけましょう」と言うのではなく、空腹を感じていないのなら、十分に満足するまで活動に取り組んでほしいと思います。
食事のスピードが遅い子どもがいた場合、「もうお昼寝の布団を敷くから早く食べてね」と言ったり、部屋のすみにテーブルを動かしたりすることなく、ゆっくりと時間をかけて食事をさせてあげたいと思います。カフェテリアがあることによって、このような一人ひとりの必要に応じられるようになりました。
カフェテリアは、子どもたちの活動や食事の時間を十分に保証するということだけでなく、それ以外にもたくさんの利点をもっています。保育者に「ご飯よ」と言われて食事するのではなく、子どもが自分で空腹を感じて「食事をしよう」と自分の意志で行動するようになります。
またカフェテリアでは、配膳から食事、食器洗いまでをできるだけ保育者の手を借りずに、自分たちでできるように考えて環境が整えられています。自分で食事を盛り付ける子どもたちは、自分がどれくらいの量を食べれるのか考えたり、お皿の上にごはんとおかずをどのように盛り付ければ良いのかを工夫したりできるようになります。
このようにカフェテリアでの食事は、こどもの主体性、社会性、自律性をゆたかに育む大切な環境でもあります。


園内紹介
ドーム型の建物が特徴の木材を基調とした温かみのあるお部屋でこどもたちは過ごします。
園庭には大きな木とビオトープ。自然からの学びも日常的に感じることができます。
こどもたちが登園してゆったりとくつろげる「もうひとつのおうち」を目指しています。
外観


ホール

日曜日は礼拝の場にもなります。
お部屋






カフェテリア/調理室




園庭/中庭/プール/ビオトープ











屋上

